はじめまして!『asunone』編集長の明日梨(@s2azurin)といいます。
『asunone』は、目まぐるしく変化している現代社会の中で、音楽文化・音楽芸術の未来を考えるWebメディアです。
最初の投稿なので、このメディアを立ち上げるに至った経緯をおはなしさせてください。
情報社会とクラシック音楽ファンの固定化
クラシック音楽といえば、ベートーヴェンやモーツァルトといった作曲家の名前を聞いたことのない人はほとんどいないと思います。
しかし、クラシック音楽作品を演奏するコンサートが全国各地のホールで開催されていることを、その舞台に立っている演奏家のことを、知っている人はどのくらいいるでしょうか。
現在、クラシック音楽ファンは固定化・高齢化している現状があり、とくに若い世代のクラシック音楽ファンを育てていく必要性が叫ばれています。
情報通信白書によると、インターネット上を流れるデータ量は10年前と比較して約15倍となっており、さらに前年度比約50%超で増え続けています(2016年度時点)。
子どもの頃からインターネットのある生活環境の中で育ってきた若い世代の周りには、情報が溢れ、モノが良ければ売れていた時代から、モノが良くてもその情報が届かなければ売れない時代へ。
クラシック音楽コンテンツは、最近のテレビなどマスメディアになかなか取り上げてもらえない…といった声も耳にしますが、これからは、インターネット等を活用して自ら発信していかなければならない時代なのです。
音楽の世界をアップデートしたい

そんな中、私は、情報化の波に乗り遅れてしまっている音楽の世界を変えたいと思うようになりました。
古くから伝わる音楽は、昔も今も変わらず人の心を動かし豊かにすることができるのに、日本には素晴らしい音楽家やその舞台裏を支える専門家がいるのに、閉じられてしまった業界の外に伝わらないなんてもったいなさすぎる。
私は、音楽が好きというよりも「生」の演奏が好きで、人間の仕事が機会に取って代わられてきている今だからこそ、人間にしかできない「生」の芸術文化を大切にしていきたいと思っています。
ただし、コンテンツはアナログでも、その裏側までアナログなやり方であり続ける必要はないのではないか、音楽の普及や発展のためにITの力を活用し、音楽×ITで音楽の世界をアップデートできないかと考えるようになりました。
きっかけは私の体験でした

私は幼い頃からピアノを習い、中学高校は吹奏楽部、大学ではオーケストラを中心とした音楽活動に夢中でした。
しかし、来場客としてプロの演奏会を調べて足を運び、さらにそのマネジメントの奥深さを知ったのは大学4年生になった頃。
そのときに思ったんです。
こんなにも長い時間を音楽と共に過ごしてきたのに、プロの作る面白い世界をどうして私は知らなかったのか、どうして誰も教えてくれなかったのか、と。
それから私は、日本のオーケストラのマネジメントについて研究したり、公立文化施設と共同でコンサートシリーズを企画・実践する学生団体に携わったりしていました。
しかし、同世代の人に広めたいと思ってSNSを使ったPRに力を入れたものの、大きな効果は得られず。プロの現場ではどんな取り組みをしているのか気になって調べてみるも、コンサートのマネジメントに関する資料は少なく、情報を集めるのにも一苦労。
そして大学院に在学中、興味本位でITビジネスの世界に足を踏み入れてみると、、、時代の最先端を駆け抜けるスタートアップ業界と、伝統に縛られすぎているクラシック音楽業界とのギャップに気づかされたのです。
このままでは、音楽の世界はますます社会の変化のスピードから取り残されてしまうのではないかと危惧しています。
同じような想いを抱えている人と繋がりたい

私は近い未来、同じように音楽文化・音楽芸術のマネジメントで悩んでいる方の助けになるような活動をしながら、音楽の世界にわくわくする仕掛けを作っていきたいと考えています。
そのためのファーストキャリアとして、あえて音楽とは関わりのないIT業界を選び、ひとまずは会社で働きながら、音楽の世界について調査研究を続けていくことにしました。
そんな中、私のツイートが何度か大きな反響をいただいたり、ダイレクトメールで問い合わせをいただくことがあり、少しずつ手応えを感じるようになりました。
そこで、140字では書ききれない想いや個人的な研究成果を共有し、メディアに蓄積していくことで、現状に一石を投じることができるのではないかと思ったのです。
そうして輪を広げていくことで、誰かの役に立てたら嬉しいし、自分自身も新しい知見を積み重ねていきたいと思っています。
『asunone』について

このメディアのタイトル『asunone』には、明日の音(あすのね)、音楽を未来に届けるという意味を込めました。
素敵なロゴやイラストは、大学時代からチラシのデザインなどでお世話になっているmochiさんが描いてくれました。
モチーフになっている女の子は、チャイコフスキー作曲のバレエ音楽「くるみ割り人形」の主人公、クララです。
記事中にときどき登場し、物語の進む方向へ導いてくれるでしょう。
編集部員はまだ私ひとりなのですが、これから仲間を増やしていけたらと思っています。
いずれは、メディアという枠を越えて活動を展開していくつもりです。
ご意見・ご指摘等ございましたら、お問い合わせフォームか、私のTwitterアカウント(@s2azurin)までいつでもお寄せください。
どうぞよろしくお願いいたします。